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高齢者の体操教室で指導者が気をつけること

掲載日:2019/03/29

高齢者を対象にした体操教室が各地でたくさん開催されるようになってきました。
効率的にしかも楽しく行なうためには、指導者(主催者)はどんなことに気をつければよいでしょうか。

 

参加者の体調を把握する

高齢者は疾患を持っている場合があります。指導者は既往歴、関節可動域の制限、薬の服用などをあらかじめ把握しておく必要があります。教室が始まる前に個人カード(カルテ)などに上記の件を記入、もしくは申し出ていただくようにすると良いでしょう。

いろいろな対応の仕方があり、看護師や保健師と一緒に教室を行なうならバイタルチェックをしながら看護師、保健師とお話しいただくのも良いでしょう。

身体に制限があることを事前に把握しておくことで「無理をせずに出来ることをやりましょう」と伝えることができます。そうすることで参加者も安心して教室に参加できるのです。

 

安全面の管理

高齢者の体操教室は椅子に座って行なう場合が多く、個人の荷物の配置(椅子の下に入れる、壁に寄せておくなど)に気を付け、つまずいて転倒しないように声かけをします。

最初はもちろん、講義の途中でも声がけをして足元への気配りを常に行なってください。水分補給もこまめに行ないましょう。椅子の下などにペットボトルを置いて好きな時に飲んでいただくというのもよいでしょう。

 

楽しく続けるための工夫

教室での最初の「つかみ(導入)」はとても大切です。パッとこちらに集中してもらい、引き込むにはいろいろな「つかみの工夫」が必要です。これは持論ですが、「つかみ」が上手くいくと、その教室は8割以上成功します。参加者の方が「え?」と声が出て、「こんなことできるかしら?」と思うような意外性のあるものがよいでしょう。

そしてメインの部分では、「この運動の効果は何か」「どこに効いているか」というようにただ、楽しいだけにとどまらず理論をわかりやすく伝えることも大切です。そうすることで参加者は意欲的になり、モチベーションもアップして参加し続けるでしょう。

そのためにも指導内容に変化を持たせることが重要です。「またこれ?」と思われないように内容を少しずつ変えてみましょう。そのためにも指導者は常に「ひきだし」を増やしていきたいものです。「楽しい」と思うのはその人の感性によるもの。楽しいと感じてもらうには、提供する側の努力が必要です。

私が心掛けているのは、教室を『オトナの保育園』にしないこと。「やっていることが幼稚園みたいだから行くのはちょっと…」と教室の内容が嫌で参加されない方もいらっしゃいます。そのようなことを言われないように気をつけたいものです。「自分が受ける立場になった時、楽しいと思えるか?」が判断基準です。

 

クールダウンの大切さ

体操のあとには心と身体をクールダウンさせる時間を持ちましょう。リラックスできる音楽を用いると効果的です。日頃から音に敏感になって、使えそうな音源はないか、常にアンテナを張っておきたいものです。くつろげる音楽のCDなどを数枚用意しておきましょう。

また、季節によって使いわけることも大切です(たとえばクリスマスの音楽など)。「なんとなく元気になった」「また次も参加したい」と思っていただけるように。教室が終わったあとも出来るだけ一人ひとりに声かけをしましょう。ちょっとしたひと言で「次もまた、がんばろう」「また参加しよう!」と思っていただけますよ。

 

そして最も大切なことは

「1回でおしまい」の体操教室ではなく、「継続」していただくことが最大の目標です。
そのためには「また参加したい」「先生に会いたい」と思ってもらうこと。つまりファンになってもらうことが大切です。

「1人では続けられないけれど、みんなで一緒にやると続けられる。先生や教室のみんなと会うのが楽しみだ。」なんて言っていただけたら最高ですね!

こころから喜んで、そして元気になってお帰りいただく、そんな体操教室を作っていただきたいと思います。

 

安河内 典子(やすこうち のりこ)
「ストレッチング」「転倒予防」担当講師

健康運動指導士、歯科技工士、介護予防指導士
「健康は二足歩行と噛めること」が理念。工夫を重ねて「楽しく心と身体を動かす♪」がモットー。自治体、企業、新聞社、銀行、学校PTA等で介護予防の講演、講習、運動指導(健康体操、ストレッチ、有酸素運動、転倒予防、リラックヨガ、椅子ヨガ)を行なう。歯科技工士の立場で口腔機能の大切さも伝えている。みよし市地域介護教室講師(社会福祉協議会、長寿介護課)、名古屋市緑区社会福祉協議会地域介護予防教室講師、東海医療科学専門学校作業療法科非常勤講師。

 
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