介護業界に携わりたいと考えた時、まず目につくのが「介護職員初任者研修」でしょう。現在の仕事が介護とは全く別の業種である場合、仕事をしながら介護職員初任者研修を修了することができるのか不安になりますよね。
ここでは介護職員初任者研修とはいったい何なのか、働きながら取得できるのか等について説明します。
介護職員初任者研修とは?取得条件はあるの?
「介護職員初任者研修」とは、基本的な介護の知識・技術を習得できる介護の入門資格で、ホームヘルパー2級が改称されたものです。厚生労働省認定の公的資格で、取得すれば訪問介護職員や施設介護職員、看護助手といったフィールドで働くことができます。
学歴・年齢など受験資格は特になく、未経験、知識・技術0の状態から介護職のキャリア構築の第一歩を踏み出したい人にピッタリな資格です。この資格を取るためには、規定の受講時間を消化する必要があります。トータルで130時間、受講しなければいけない決まりになっているのです。130時間中、約90時間が実技、あとの約40時間が座学で知識を習得する時間となっています。
数多くの科目があり、「職務の理解」という科目は6時間、「介護の基本」という科目は6時間といった具合に、科目別に時間数が割り当てられています。初学者向けの受講内容になっているため、予備知識がない人でもスムーズに学習を進めていけるでしょう。
受講修了後の試験
実技と座学を全130時間受講すれば修了、介護職員初任者研修の資格を取得できるというわけではありません。筆記の修了試験を受けて合格し、修了証を取得してはじめて介護職員初任者研修の資格ホルダーとなれるのです。
ただ試験内容は受講内容から選択式の形で出題され、難易度はさほど高くないといえるでしょう。不合格になってしまったとしても、チャンスは一度きりではなく、再試験を受けることが可能です。
なお介護職員初任者研修の資格に有効期限はなく、一度取得してしまえば一生ものです。
介護職員初任者研修の学習方法
試験の難易度が高くないと知ると、学習方法として独学でよいのではないかと思う人がいるかもしれません。独学であれば、スクールに通う場合と比較して、安上がりになるという考え方が一般的です。
しかし、残念ながら介護職員初任者研修は独学で取得することはできません。都道府県知事が指定する養成施設にて、先述した内容の講座を受講しなければいけないのです。学習方法としては通学コースと通信コースに大別されます。
通学制の特徴
130時間の実技・座学のすべてを、スクールに通って受講する学習スタイルです。全講義で講師による直接指導を受けることが可能なため、効率良く学習を進めていけるでしょう。ただし通信制と比較した場合に、受講料を含め資格取得までにかかる費用の総額が割高になるケースが多いです。
通信制の特徴
130時間の実技・座学のうち、座学の約40時間を家庭でこなす学習スタイルです。実技の約90時間に関しては、スクールに行って受講しなければいけません。家庭でサボらず計画的に学習を進める自己管理が求められるほか、自宅学習中には疑問点をすぐに講師などに質問しにくい点には注意が必要です。
働きながら介護職員初任者研修の資格は取得可能?
今何か仕事をしている人で、介護職への転職を検討している人もいるでしょう。転職のきっかけとして介護職員初任者研修の資格取得を目指したい、そう思う人は少なくないはずです。ただ、全130時間の受講消化のために、できるだけ仕事を休みたくない、休めないという人もいるでしょう。
結論からいいますと、仕事と受講を両立させることは十分に可能です。スクール選びさえ間違えなければ、仕事に穴をあけることなく介護職員初任者研修の資格を取得できます。
仕事を休みたくない人はどうする?その解決策とは
働きながら介護職員初任者研修の資格取得をめざす場合、難点となっているのが実技はスクールで直接指導を受けなければいけない点です。仕事を休みたくない人は、日中・平日のみ開講のスクールでは、通う時間を捻出できませんね。そのような人も、介護職員初任者研修の資格取得をあきらめる必要はありません。
スクールによっては、夜間コースや土日コース、週1日のみのコースを用意してくれているところがあります。休日となるはずの時間が受講に取られてしまう分、大変な面もあるでしょうが、これなら受講のためにわざわざ休みを取る必要はありませんね。
介護職員初任者研修を受講できるスクール選びのポイント
地域・スクールによって、受講費用などトータルでかかる金額には違いがあります。安いスクールだと50,000円程度、高いスクールだと150,000円程度になることも。スクールを決める時は、費用がいくらになるかという点も大事ですが、金額以外の要素にまでしっかりと目を向けましょう。
たとえば、場所・日程が通いやすいスクールのほうが無理なく資格取得を目指せますし、急な欠席の場合、補講が無料で受けられるシステムだと助かります。
そのほか、学習の支援体制や優秀な講師陣が揃っているなど、スムーズに知識・技術を身につけるためのサポート体制も比べてみてください。
修了後の支援制度が用意されているスクールも
介護職員初任者研修のスクールの中には、資格取得後まで面倒を見てくれるところがあります。主なもののひとつとしては、就職支援制度が用意されているスクール。有名なスクールでは、就業支援を無料で行っているところもあります。資格取得後、介護職に就きたいと思っている人にとっては心強いサポートですね。
まとめ
介護職員初任者研修の取得は、働きながらでもスクール選び次第で取得できることがおわかりいただけたと思います。無資格と比べて選べる仕事の幅、採用される確率が高くなり、待遇も良く、職場によっては資格手当てが出るところもあります。スクールによっては就職支援制度がしっかりしているところもあります。
サポート内容はスクールによって違いますので、よく比較してご自身にあったところを選びましょう。